2016/10/18 全中建意見交換会・関東地区1回目/くじ引き是正や歩切り対策徹底を要望

【建設工業新聞 10月 18日 2面記事掲載】

全国中小建設業協会(全中建)は17日、国土交通省と行っている16年度全国ブロック別意見交換会の関東地区1回目の会合を東京都中央区のホテルで開いた=写真。改正公共工事品質確保促進法(公共工事品確保)の運用徹底をはじめ入札契約制度の改善を申し入れたのに加え、一部の自治体の指名競争入札で指名業者が固定化されている問題などを指摘した。

全中建傘下の東京都中小建設業協会(都中建)、全中建南多摩、神奈川県中小建設業協会(神中建)、横浜建設業協会と、国交省土地・建設産業局、関東整備局それぞれの担当者が出席。冒頭、豊田剛全中建副会長は「意見交換会は今年で4回目。歩切りへの対策はだいぶ浸透してきたが、一部で端数の調整や、積算段階での歩切りの実態がある。(根絶に)徹底して取り組みたい」と決意を述べた。山口巌都中建会長と若林克典全中建南多摩会長は担い手確保・育成・定着への支援を求め、河崎茂神中建会長は「安ければ良いという考え」を是正するよう訴えた。

会合で全中建側は、一部の民間建築工事で特定建設業許可が未取得の業者と取得業者が同じ競争入札に参加していた事案を取り上げ、対応を求めた。設計者や設計監理者に対する民間工事指針の周知や多能工の育成への支援を要請し、国交省は前向きに対応する姿勢を見せた。

くじ引きによる落札者決定の是正も求め、国交省は最低制限価格や予定価格の事前公表の見直しに向けた取り組みを引き続き進める考えを示した。神奈川県の「いのち貢献度指名競争入札」に関し、一部の地域で指名業者が固定化してる現状も説明した。

総括した土志田領司全中建副会長(横浜建設業協会会長)は「公共調達のあり方を根本的に変えていかなければならない時期に来たと考えている。予定価格で受注し、これだけ(費用が)かかるという制度を作るのが地場の生きる道だ。地域の安全・安心を守るために適正利潤を上げながら、そこにまい進したい」と述べた。

全中建は、関東北部の団体が参加する関東地区2回目の会合を28日に都内で開く。

日刊建設工業新聞の購読申し込みは、こちら

戻る