2017/03/13 国交省/ICT舗装に積算基準制定/4月から適用、UAV測量には機械経費算定式新設

【建設工業新聞 3月 13日 1面記事掲載】

国土交通省は10日、17年度の直轄土木工事・委託業務に適用する積算基準を公表した。建設現場の生産性向上策i-Constructionのさらなる拡大に向け、ICT(情報通信技術)を導入する舗装工事に新たな積算基準を制定。委託業務の公共測量で無人航空機(UAV)などの機械経費の算定式を新設する。入札書の提出期限日が4月1日以降に設定されている案件から適用する。=2面に関連記事

ICT建機を使った施工は、補助労務の省力化や効率化に伴う日当たり施工量の増加で労務費が減少するが、機械経費の増加分を足し合わせると、3000平方メートルの路盤工で標準施工と比べてコストが1・1倍程度に増える。16年度に適用したICT土工と同様、ICT舗装の路盤工にも建機の投資に見合った積算基準を導入する。

公共測量業務を対象に、UAV写真測量または地上レーザー測量に必要な機械経費などを算出する式を新設。測量面積(作業量)に応じて機械経費などを計上する。起工測量の場合は、UAVなどによる測量が外注される事例が多いので適用しない。

積算基準の改定では、維持修繕に関する施工など、1日未満で作業が完了する小規模施工の積算方法を新設する。機械経費と労務費は半日分(4時間)または1日分(8時間)で、材料費は使用数量でそれぞれ計上。数量に対する積算額と実際にかかる費用にかい離があることに対応した。

一般交通を規制する工事の間接工事費(共通仮設費と現場管理費)の補正方法も見直し、交通量による区分を新設するとともに、これまでの加算補正(率)から乗数補正(係数)に変更する。

これまで市場での取引単価によって単価を設定していた6工種について、良好な取引データの収集が困難になっているとして市場単価を廃止し、実態調査の上で設定する歩掛かりを基にした単価「土木工事標準単価」に移行。10月に▽区画線工▽高視認区画線工▽排水構造物工-の3工種、18年4月に▽コンクリートブロック積▽橋梁塗装工▽構造物とりこわし工-の3工種をそれぞれ移行する。

共通仮設費で計上するイメージアップ経費を実態と結び付くよう「現場環境改善費」に名称変更。併せて、女性更衣室や熱中症対策などの項目で最新データに基づき経費率を見直す。これにより、地方部の経費が10%程度増えるという。

このほか、東日本大震災の被災3県(岩手、宮城、福島)で施工するすべての土木工事を対象に、間接工事費を割り増し補正する「復興係数」などの特例措置を17年度も継続する。熊本地震で被災した熊本県でも土木工事を対象にした復興係数などの特例措置を2月から実施している。

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