2017/04/04 国交省/企業評価制度の議論開始/産業政策会議WGに論点提示、下請企業評価など検討

【建設工業新聞 4月  4日 1面記事掲載】

国土交通省は3日、10年後を視野に建設産業政策を議論する有識者会議「建設産業政策会議」の下に設置した「企業評価ワーキンググループ(WG)」(座長・丹羽秀夫公認会計士・税理士)の会合を省内で開き、企業評価制度の今後の論点を提示した。地域建設業や専門工事業の役割を踏まえた下請企業の評価のあり方などを検討。民間工事での企業評価情報の提供などについても議論を深める。=2面に関連記事

国交省は企業評価の検討について、評価制度のユーザー(公共発注者、民間発注者、建設企業)の利用目的に合致し、申請者・評価者双方にとって過度な負担にならないことなどを基本的な考え方として設定。その上で今後の検討事項として、▽公共工事での企業評価の項目▽下請企業の評価▽民間発注者への企業評価情報の提供-の3点を挙げた。

公共工事での評価項目では、経営事項審査(経審)、発注者別評価、総合評価方式の入札の各プロセスで評価すべき内容を整理し、どのような項目で評価することが適当かを検討。建設企業に求められる社会的役割や政策的要請を踏まえ、新たに追加すべき評価項目も議論する。今後重要性が高まる評価項目として、生産性向上や働き方改善への取り組みなどを列挙した。

下請企業の評価のあり方では、さまざまな専門業種を共通の仕組みにできるかどうか、評価項目を選定できる柔軟な制度とするか、一律評価の画一的制度とするかといった論点を提示。技能労働者や建設機械によるところが大きい専門工事業者の評価方法や、下請工事の実績評価も検討課題として提起した。

民間発注者は建設企業の情報を十分に持っていないケースが多いとの指摘もあり、建設業者を選定する際に役立つ企業評価情報の提供のあり方を検討する。許可申請時に提出する書類の閲覧制度をより使いやすくしたり、主要な情報を発注者が企業間で比較できたりするなどの検討ポイントを示した。

委員からは「国や自治体ごとに企業評価制度の使い方が多様化、複雑化している。企業が競争したい領域で競争するため等級(ランク)別に評価項目を考えてはどうか」「これまで経審は元請だけを評価していた。大規模修繕などマーケットも変わっていく中、元請を支える下請、専門工事の評価指標を考え、充実を図ることが重要だ」などの意見が出た。

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