2017/04/26 国交省/ICT浚渫工の初弾3件入札公告/全工程で3Dシステム活用

【建設工業新聞 4月 26日 1面記事掲載】

国土交通省は25日、浚渫工事の生産性向上策としてICT(情報通信技術)を全面活用する初弾工事の入札手続きを公告した。対象は東北地方整備局が発注する「小名浜港東港地区航路・泊地(水深18メートル)浚渫工事」(福島県いわき市)と、九州地方整備局が発注する「17年度関門航路(大瀬戸~六連地区)航路(水深14メートル)浚渫工事」(山口県下関市)など2件の計3件。

ICT浚渫工は、省を挙げて推進している建設現場の生産性向上策i-Constructionの重点施策であるICT施工の一環。土工で先行しているICT施工を港湾工事分野にも導入。測量・設計から検査までの全工程で、海底地形を面的・立体的に把握できる3次元(3D)システムを活用する。

初弾3件のうち1件に小名浜港を選んだのは、同港で世界最大規模の石炭のばら積み船を受け入れる航路の水深を確保するため。大規模なばら積み船を受け入れる航路の浚渫工は最大でも水深16メートル程度が一般的だが、今回は水深18メートルで施工する計画という。国交省は、大水深の浚渫工ほど3Dシステムの効果が高く、作業の効率化や施工ミスの防止などに役立つと判断した。

同省によると、過去2~3年で国直轄の浚渫工の発注件数は毎年度80件程度。17年度も同程度になるとみている。今後、ICTの全面活用を条件にするかどうかは各工事の施工計画などを踏まえて判断する。

16年度に整備したICT浚渫工の技術基準類を参考に行ってもらう。

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