2017/05/23 国交省/NETIS登録技術の活用促進/推奨技術専用サイト新設、生産性向上後押し

【建設工業新聞 5月 19日 1面記事掲載】

国土交通省は、公共工事への新技術導入を目的に運営している「新技術情報提供システム」(NETIS)に登録された技術の一層の活用促進を図る。画期的な新技術を対象とする「推奨技術」などに選定された技術の特性を紹介する専用サイトを新設。掲載期限が過ぎた技術を確認できるリストも公開し、推奨技術などは専用サイトに引き続き掲載する。有用な新技術を建設現場の生産性向上につなげる狙いだ。=2面に関連記事

NETISに登録された約2900件の技術のうち、総合的な活用効果や性能・機能が特に優れる技術は約120件。有識者でつくる新技術活用システム検討会議がこの中から、公共工事の技術水準をさらに高める有用な新技術として、推奨技術のほか、画期的だがさらなる発展を期待する部分がある「準推奨技術」、公共工事の技術水準を高めることが見込める「評価促進技術」を選定。これらの技術を活用する建設業者には総合評価方式の入札や工事成績評定での加点などのインセンティブがある。

国交省は、選定された有用技術の一層の活用を促すため、「推奨技術等専用サイト」を開設した。16年度までに選定された推奨技術、準推奨技術と、技術指針で示されるなど既に普及している「一般化・標準化技術」の合わせて88技術を掲載。地盤改良や仮設、施工管理など技術ごとに特性を紹介している。17年度の選定技術は6月中に掲載する。

NETIS実施要領に基づき最大10年の期限を迎えた技術は掲載が終了。総合評価方式の入札や工事成績評定での加点などもなくなる。NETISは06年6月から本格運用しており、17年4月に掲載が削除された技術は774件に上る。

国交省は、掲載期限を迎えた技術の中にも工事品質や生産性の向上につながるものは多いとみて、掲載終了後も活用を促進。掲載期間が終了した技術を確認できる「掲載期限終了技術リスト」を作成、公開する。対象は掲載時の申請者の確認が取れたものに限定。技術名称や開発者名などの情報を提供する。推奨技術等専用サイトでの掲載も継続。推奨技術、準推奨技術といった名称も引き続き使えるようにする。

国交省は17~21年度の技術基本計画に基づき、NETISを中核に技術の効果的な活用などに関する環境整備を進めている。

「テーマ設定型」の技術公募で、現場のニーズを踏まえた要求水準などを設定する改良案を試行。現在3地方整備局で試行中で、今後も順次拡大していく方針だ。

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