2017/07/06 ICT活用工事-自治体に広がり/17年度は31団体実施予定/国交省調査

【建設工業新聞 7月 6日 1面記事掲載】

都道府県・政令市が発注する工事で「ICT(情報通信技術)活用」を実施する動きが広がっていることが、国土交通省の調査で分かった。計67の都道府県・政令市のうち、17年度にICT土工の実施を予定しているのは31団体(16年度19団体)。検討中の自治体も30団体以上に上る。建設現場の生産性を高めるICT活用工事を促進する動きが広がってきた。

国交省は、都道府県・政令市の担当者が参加する17年度春季「地方ブロック土木部長等会議」を5~6月に全国8ブロックで順次開催。建設現場の生産性向上策i-Constructionの前進をテーマの一つに据え、ICT土工の実施状況を調べた。

国交省が16年度に本格導入したICT土工が自治体にも着実に広がり、17年度にICT土工の実施を予定している自治体は都道府県24、政令市7と、合わせて前年度実績の1・6倍に増える見通しだ。

会議で国交省と自治体は、ICT土工の導入に消極的な地域建設業者がいることも踏まえ、起工測量や施工、出来形計測など部分的・段階的な導入や、小規模工事などでの採算性の改善に向けた取り組みの必要性を確認。国交省は「取り組みに慎重な自治体にいかに広げていくかが大事だ」(官房技術調査課)とし、改善策の検討を進める考えだ。

国交省は16年度の年間発注公告で約1620件のICT土工を予定しており、うち3月時点で584件が実施されている。17年度も引き続き推進するとともに、舗装工や浚渫工への導入、橋梁分野での試行など対象工種を拡大する。ICTの活用につながるCIM(コンストラクション・インフォメーション・モデリング)の導入ガイドラインも16年度末に策定。CIMモデル活用に必要となる基準類も改定するなど17年度からの実施環境を整備している。

《17年度にICT土工を実施予定の31団体》

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