2018/02/15 厚労省/建労金の技能実習支援制度見直しへ/若者・女性参加で助成率引き上げ

【建設工業新聞 2月 15日 2面記事掲載】

厚生労働省は18年度、主に中小建設業を対象にした「建設労働者確保育成助成金」(建労金)制度を見直す。技能労働者として女性と35歳未満の若者の入職・定着をより強力に後押しする。具体的には、企業が行う技能実習の開催経費を助成する支援メニューについて、対象を若者や女性に限定するケースの助成率を現在より10~15%引き上げる。

18年度予算案に助成金全体の経費として53億円(前年度比6・0%増)を計上した。助成金の見直し内容を規定した建設労働者雇用改善法の改正施行規則を4月1日に施行する。

現行助成金のうち、技能実習の開催経費を助成する支援メニューは、主に中小建設事業主を対象にしている。例えば、社員21人以上の中小建設事業主向けの支援メニューでは、人件費や営業利益などを目安に算出する直近3年間の企業活動の生産性向上実績(6%以上〈年平均2%〉)に応じ、参加者1人当たり原則60%とする助成率を75%まで引き上げている。

18年度からは技能実習に35歳未満の若者が参加した場合、参加者1人当たりの助成率を現行の原則60%から70%に引き上げる。直近3年間の企業活動の生産性向上実績が優れていた場合、現行の最大75%から85%に高める。

技能実習に女性が参加した場合、参加者1人当たりの助成率を現行の原則45%から60%に変更。直近3年間の企業活動の生産性向上実績が優れていた場合、現行の最大60%から75%に引き上げる。女性参加に限るこの上乗せ措置は大企業も対象にする。

助成金の見直しでは、建設技能労働者の最上位に当たる「登録基幹技能者」の処遇向上を促す現行支援メニューの適用範囲も広げる。現在は就業規則や労働協約の変更によって登録基幹技能者の基本給に当たる「賃金テーブル」または資格手当を年間3%以上かつ15万円以上引き上げた際にその財源を助成している。18年度からは助成要件を「年間2%以上かつ10万円以上の引き上げ」に緩和する。

助成金全体の見直しでは、現在計9項目ある支援メニューを、▽トライアル雇用助成金▽人材確保等支援助成金▽人材開発支援助成金-の3項目に大きく整理統合する。適用申請時の分かりやすさと手続きの利便性を高め、さらなる活用を促す。

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