2018/05/30 国交省/新技術導入へ現場検証・実装促進/調査経費執行対象に3Dモデル活用案件も

【建設工業新聞 5月 30日 1面記事掲載】

国土交通省は新技術の現場実証・実装をさらに推進する。公共事業に新技術の活用を促進するための経費として18年度予算に11・8億円を新規計上。3次元(3D)モデルを活用する設計や工事、新技術の現場実証、点検記録作成支援ロボットの活用などの費用に充てる。実用段階に達していない技術シーズや要素技術を検証。実用化や現場への実装につなげる。

国交省官房技術調査課長名で「18年度における新技術導入促進調査経費の執行について」と題した文書を、全地方整備局、北海道開発局、内閣府沖縄総合事務局に24日付で通知した。新規計上した新技術導入促進調査経費(11・8億円)の執行に当たっての留意点を提示。適正かつ円滑な執行を図るよう求めた。

経費を充てることができるのは、▽BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)/CIM(コンストラクション・インフォメーション・モデリング)を活用する設計および工事▽新技術導入促進(II)型総合評価方式で発注する工事▽新技術情報提供システム(NETIS)のテーマ設定型(技術公募)での現場実証▽マッチングによる新技術の現場試行▽点検記録作成支援ロボットの活用-など。工期や実証期間が19年度にまたがる場合は繰り越しもできる。

BIM/CIMの活用では、業務・工事で設定する要求事項のうち「契約図書化に向けたCIMの構築の検討」「CIMによる数量、工事費、工期算出の検証」の一方または両方を含む設計か施工に経費を充てる。

新技術導入促進(II)型では、▽トンネル工事=人工知能(AI)などを活用したトンネル切羽などの地山判定手法▽鋼橋上部工事=製作時または架設時に画像解析などを活用した品質管理の省人化手法▽プレストレストコンクリート(PC)工事=架設時に画像解析などを活用した品質管理の省人化手法-の3テーマを対象にする。

三つの工事以外も積極的にテーマ設定するとともに、建設分野以外の企業と連携した新技術の活用も検討する。新技術の現場実証にかかる費用は、1件当たり500万円程度を目安に予定価格へ計上する。

NETISはテーマ設定型の実証を行う第三者機関などが実施主体となり、技術募集テーマを設定する。テーマに基づき要求性能などの作成や意見募集、新技術の募集・選定、技術比較表の作成にかかる費用を対象とする。

地方整備局などで実施する現場ニーズと技術シーズのマッチングイベントや、成果の取りまとめなどの費用も対象。現場試行に経費を充てる場合は本省に相談する。インフラ点検業務のうち、点検記録作成支援ロボットの活用や3D成果品の納品にかかる費用に経費を充てる。

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