2018/08/09 国交省/発注者責任懇談会に3部会設置/発注者在り方の提言具体化へ

【建設工業新聞 8月 9日 1面記事掲載】

国土交通省は、有識者会議がまとめた今後の発注者の在り方に関する提言内容の具体化を検討する。入札契約制度などの検討組織を「発注者責任を果たすための今後の建設生産・管理システムのあり方に関する懇談会」に統合。▽建設生産システム▽業務・マネジメント▽維持管理-の3部会を設置する。提言内容を受けた喫緊の検討事項を各部会で重点的に議論し、年度内に同懇談会へ成果を報告する。

8日に開いた発注者責任懇談会(座長・小澤一雅東大大学院教授)の会合で、4月に公表した「今後の発注者のあり方に関する中間とりまとめ」を踏まえた18年度の主な取り組みを提示。今後の検討体制や3部会の検討事項などを示した。

建設生産・管理システム全般を対象に議論するため、現行の会議体となる「総合評価方式の活用・改善等による品質確保に関する懇談会」と「調査・設計等分野における品質確保に関する懇談会」を発注者責任懇談会に統合。その上で建設生産・管理システムの各段階に対応した「業務・マネジメント部会」(仮称)、「建設生産システム部会」(同)、「維持管理部会」(同)を設置する。

建設生産システム部会では、週休2日の確保などによる働き方改革の推進と、多様な企業評価の実施の二つが喫緊の検討事項。働き方改革を推進するための工期設定の在り方を重点的に議論。工期変更に伴い所要の経費を計上できる仕組みを検討し、工期と連動した積算の在り方を示す。

企業評価については、競争参加資格審査、入札、工事完成など各段階で多様な評価項目、評価方法を検討する。直轄工事の発注では、企業の経営形態や発注者が期待する事項によりマーケットを明確化。今後、「全国・複数ブロック企業」(A・B等級)と「地域企業」(C・D等級)に分けて企業評価を実施する考えだ。

業務・マネジメント部会では、事業監理業務の適用拡大や実績の評価などを検討。事業促進PPPやCM(コンストラクションマネジメント)など直轄事業の事例を踏まえ、発注者体制の支援に関する事業監理業務の実施方法や留意点などをまとめたガイドラインを年度内に策定。自治体などにも参考にしてもらう。

維持管理部会では、維持管理工事の実態を踏まえた適切な積算や入札契約方式、支払い方式を検討。発注方式では災害協定を中心に評価する総合評価方式、複数年契約や共同受注などの実施結果をフォローアップするとともに、フレームワーク方式の適用も検討する。

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