2019/01/30 国交省/業法・入契法改正案概要/工期確保と平準化、公共発注者の努力義務に

【建設工業新聞 1月 30日 1面記事掲載】

国土交通省が今国会に提出する建設業法と公共工事入札契約適正化法(入契法)の一括改正案の概要が明らかになった。働き方改革の促進に向け、公共発注者に必要な工期の確保策と施工時期の平準化策を講じることを努力義務とした。生産性向上の観点から現場に配置する技術者に関する規制を緩和し、限りある人材の有効活用と若者の入職促進を図る。同省は3月上旬の提出を目指す。

改正案では長時間労働是正に向け工期の適正化などを規定する。中央建設業審議会(中建審、国交相の諮問機関)により「工期に関する基準」を作成・勧告。著しく短い工期による請負契約の締結を禁止し、国交相などによる違反者への勧告の仕組みを整える。

処遇改善策として社会保険加入対策の一層の強化を図る。建設業許可の基準を見直し、社会保険への加入を要件化。下請代金のうち、労務費相当分(社会保険料の本人負担分を含む)の現金払いを義務化する。

人材の有効活用策の一つとして、元請の監理技術者を補佐する制度を創設。技術検定試験を見直し、新資格の「技士補」がいる場合は、複数現場の兼務を認める。下請の主任技術者については、一定未満の工事金額などの要件を満たす場合、配置不要とする。

生産性を高めるため、工場製品などの建設資材を活用した際に資材の欠陥による施工不良が生じた場合、国交相などが製造業者に対して改善勧告・命令できる仕組みを構築する。

持続可能な事業環境の創出に向け、経営業務管理責任者に関する規制を緩和。過去5年以上の建設業経営の経験者を有することを求める建設業許可要件を外し、組織全体で適切な経営管理責任体制を確保することに改める。合併・事業譲渡などの際、新たな許可を取り直すことなく円滑に事業継承できる仕組みを構築する。

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