2019/09/30 経審 技術力(Z)、社会性(W)を2020年・2021年改正へ。
キャリアアップ制度、継続教育(CPD)、登録建設業経理士が評価対象に。

国土交通省は2019年9月13日 中央建設業審議会を開催し、経営事項審査の審査基準の改正案を提示した。
建設業法で示された知識及び技術又は技能の向上、今年4月から本運用されている建設キャリアアップ制度への取り組み状況を加点対象とした。
今後の周知期間を踏まえ、2020年、2021年に分けて改正の予定。

1.改正概要・時期
技術力(Z)、その他の審査項目(社会性等)(W)の改正


2.技術力(Z) 技術職員数(Z1)の改正
建設キャリアアップ制度でのレベル4、レベル3の建設技能者を評価対象に。

今年4月より本運用されている建設キャリアアップシステムのレベル判定を活用して、優れた技能を有する建設技能者を雇用する事業者を評価する。

<レベル4 = 3点の評価>
建設技能者の能力評価基準によりレベル4と判定された者について、「登録基幹技能者」同等のレベルとして評価し、3点の評点を付与する。
※技術職員区分「基幹技能者」(評点3点)は、登録基幹技能者を対象。建設技能者の能力評価基準においては、登録基幹技能者をレベル4として判定しており、これと同等の技能を有すると判定されたレベル4の建設技能者を評点3点として評価。
(レベル4として、登録基幹技能者、優秀施工者国土交通大臣顕彰受賞者(建設マスター)、卓越した技能者(現代の名工)、安全優良職長厚生労働大臣顕彰受賞者等)

<レベル3 = 2点の評価>
建設技能者の能力評価基準によりレベル3と判定された者について、「技能士1級」同等のレベルとして評価し、2点の評点を付与する。
※技術職員区分「2級技術者」(評点2点)は、技能士1級を対象。建設技能者の能力評価基準においては、レベル3として技能士1級の資格を求めているものが太宗であることから、これと同等の技能を有すると判定されたレベル3の建設技能者を評点2点として評価。


参考 : 鉄筋、とび、型枠、機械土工の能力評価基準(案)


※国土交通省 中央建設業審議会資料より

3.その他の審査項目(社会性等)(W) 
知識及び技術又は技能の向上に関する取組の状況(W10)の新設

技術者:継続教育(CPD)取得を評価、技能者:建設キャリアアップシステムでのレベルアップを評価

その他の審査項目(社会性等)に新たにW10として、「知識及び技術又は技能の向上に関する取組の状況」の項目を追加し、継続的に知識及び技術又は技能の向上に努めている技術者・技能者を抱える企業を評価する。

評価方法
個々の企業における技術者と技能者の割合はさまざまであるため、全体の点数(10点を想定)とした上で、技術者と技能者の比率に応じてそれぞれの取組状況を評価したもの(技術者点及び技能者点)を合算して算定する。


※国土交通省 中央建設業審議会資料より

●技術者点(10点満点)
学会・業団体等において認定されているCPDプログラムにおいて、当該建設業者に属する技術者1人当たりが1年間に取得したCPDの単位

●技能者点(10点満点)
基準日前3年間における能力評価基準でレベル2以上にアップした建設技能者の雇用状況

例)
技術者 : 6人、 技能者 : 4人
技術者点 6点、 技能者点 : 5点 の場合

=3.6点 + 2.0点
=5.6点


≪技術者(CPD)の評価方法≫
基準日前1年間における当該建設業者に所属する建設技術者のCPD取得状況


※国土交通省 中央建設業審議会資料より

例)
基準日前1年間における当該建設業者に所属する建設技術者が取得したCPD単位の総数 = 120単位
基準日において所属している建設技術者の数 = 6人
120単位 ÷ 6人 = 20単位
※算出された単位数を表に当てはめて評点を算出


≪技能者(レベルアップ)の評価方法≫
基準日前3年間における能力評価基準でレベル2以上にアップした建設技能者の雇用状況


※国土交通省 中央建設業審議会資料より

例)
基準日前3年間における能力評価基準でレベル2以上にレベルアップした建設技能者の数 = 2人
基準日における建設技能者の数 = 4人
2人 ÷ 4人 = 50%
※算出された数値を表に当てはめて評点を算出


4.その他の審査項目(社会性等)(W)  建設業の経理の状況(W5)の改正
建設業経理士は、登録建設業経理士が加点対象に。

W52 経理に関して継続的に知識の向上に努めている者であることを経営事項審査上の評価要件とすることに見直す


※国土交通省 中央建設業審議会資料より

W51 監査の受審状況における経理処理の適正を確認した旨の書類の提出について、経理に関して継続的に知識の向上に努めている者を適正を確認できる者とすることに見直す


※国土交通省 中央建設業審議会資料より

5.参考 : 現行の経審評点算出方法


※国土交通省 中央建設業審議会資料より


(記事中の所属・役職等については掲載日時点の情報にて記載しています)

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