2020/02/04 赤羽一嘉国交相/労務・技術者単価見直しを指示/補正予算を迅速・着実に執行

【建設工業新聞  2月 3日 1面記事掲載】

赤羽一嘉国土交通相は1月31日の閣議後の記者会見で、公共事業の積算に使う公共工事設計労務単価と設計業務等委託技術者単価の見直しを行うよう指示したことを明らかにした。2019年度補正予算を円滑に執行するため新単価を2月中に公表し、3月に適用する見通し。補正予算で復旧・復興事業や防災・減災対策などが措置されたことを受け、赤羽国交相は「効果を最大限発揮できるよう迅速かつ着実な執行に取り組む」と強調した。

国交省はこれまで、公共工事の着実な執行に向けて、人材や資機材の状況を注視しながら必要な対策を講じてきた。労務単価については、13年4月に全職種・全国加重平均で過去最大幅となる16・1%(東日本大震災の被災3県は25・5%)の引き上げを実施。その後も14年2月、15年2月、16年2月、17年3月、18年3月、19年3月と7度にわたって引き上げてきた。設計や測量などの業務委託に適用する技術者単価も全職種平均で7年連続上昇している。

いずれも新単価の設定に当たっては、公共事業労務費調査や調査設計業務等技術者給与等実態調査を実施。その結果を踏まえ今回も改定時期を通常の4月から3月に前倒しすることで、最新の労働市場の実勢価格を適切・迅速に反映させる。

国交省は建設業の労務環境の改善に向け、発注・施工時期の平準化に積極的に取り組んでいる。19年度の当初予算で、当該年度の支出を伴わない国庫債務負担行為(ゼロ国債)を1095億29百万円計上。2カ年国債も2098億77百万円を設定している。

1月30日に成立した補正予算には977億円のゼロ国債を計上。国交省はゼロ国債を含めた補正予算の関連事業の執行に万全を期すため、3月以降に契約締結する発注案件などから新しい単価を適用するよう改定の準備を進める。

公共事業予算の早期執行や円滑な施工確保のため、赤羽国交相は「市場実態を反映した予定価格の設定や適正な工期設定など円滑な施工確保に、関係省庁や地方自治体などと連携して取り組む必要がある」と指摘。31日の閣僚懇談会で関係閣僚に公共事業の円滑な施工確保への協力を要請した。

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