2020/03/23 国総研/工事日報入力システムを現場試行/データ収集・利活用へ、建設会社募集

【建設工業新聞  3月 23日 1面記事掲載】

国土技術政策総合研究所(国総研、伊藤正秀所長)は、工事日報データの収集・利活用を目的に試作した「工事日報入力システム」の現場試行を始める。技術者と技能者の作業時間・内容をスマートフォンなどで簡単に入力。把握したデータを利活用し、作業計画の立案や改善などに役立てる。現場試行を通じて、より使いやすいシステムに改良する。19日から試行協力してもらう建設会社の募集を開始した。

国土交通省は建設現場の生産性向上策i-Constructionを推進し、2025年度までに建設現場の生産性を2割向上させる目標を掲げる。国総研では工事日報データを作業日や作業工種ごとに集計し、簡単に建設現場の労働生産性を把握できる工事日報入力システムを試作した。

同システムは建設現場に従事する技術者、技能者がスマホやパソコンを使って作業開始・終了時に作業内容などを入力する。技術者は現場の施工管理や書類整理、打ち合わせなど、技能者は鉄筋やコンクリ打設、足場などの作業内容を選択。時間も15分単位で選択する仕組みで簡単に入力できる。職長などが複数人を入力することも可能だ。

収集したデータは工事日報(作業日ごと)に加え、技術者、技能者、グループ、工種などさまざまな切り口で作業時間を集計・出力できる。工事全体で技術者別、技能者別、工種別に作業時間(日ごと、月ごと)を把握。こうした情報を、労働条件・労働環境の改善や技術・技能の維持向上、受発注者の相互理解・信頼構築などにつなげる。

国総研は国交省直轄や地方自治体発注の公共土木工事を対象に、同システムの試作版を現場試行する。建設会社を先着30社をめどに5月29日まで募る。応募資料の提出後、おおむね1週間で要件を満たしている建設会社に同システムの利用に必要な資料を送り、試行を始めてもらう。1社当たり複数現場での試行も認める。

試行期間は4月1日~6月30日(うち20日以上データ入力する)。試行後に工事日報入力やデータ利活用に関するアンケートなどを実施。現場の意見を反映し、より良いシステムを開発する。

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