2020/09/03 全中建・土志田領司会長/CCUS料金改定に賛同の方針/新3K実現に必要

【建設工業新聞  9月 3日 1面記事掲載】

全国中小建設業協会(全中建)の土志田領司会長は、国土交通省が業界に提案していた建設キャリアアップシステム(CCUS)の料金改定案に賛同する方針を固めた。新型コロナウイルスの感染拡大状況を踏まえ、書面開催する今月の理事会に議案としてCCUS料金改定案と追加開発への出えんで対応方針を諮る。事務局は3日に議案書を送信する予定。方針決定には全理事の同意が必要で議論の行方が注目される。

土志田会長は「CCUSが新3K(給与・休暇・希望)実現の分岐点になることから、利用料金が改定されたとしても普及促進は避けて通れない」とコメント。料金引き上げに賛同する意向を明らかにした。

追加開発の出えんには「(国交省からの)今後具体的な要請に伴い調整されるべきだ」とのスタンス。具体的な要請を受けた時点で「協力できる範囲内を限度に出えんすることはやむを得ないという方針で調整に臨んでいく」と応じる考えを示した。

CCUSの普及策に関してもコメントした。土志田会長は「会員企業と技能者双方のメリットを明確にして説明することが喫緊の課題」と指摘。直轄工事の「CCUS義務化モデル工事」の積算で、カードリーダー設置費用と現場利用料(カードタッチ費用)を精算変更時、支出実績に基づき現場管理費へ計上している点を挙げ、「この仕組みを都道府県や市町村が発注する工事に拡大して義務化してもらうのが会員の最大のメリットになる」とした。

直轄モデル工事で得られるメリットを自治体のモデル工事に取り入れることで、中小建設業者へのCCUSの普及につながる。技能者の処遇改善に向けた環境整備の肝になるとし、全中建として強く要望していく方針だ。

全中建は、会員団体傘下の企業からCCUSの導入現場を募り、11現場で「ちゃれんじ工事」と銘打ったモデル事業に取り組んでいる。

土志田会長は「システムの効果や課題を把握し今後の普及活動に反映させていきたい」とコメントしている。

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