2020/09/28 中部整備局三重河川国道/浸水状況共有システムの現場実証開始/国・県・市が即時確認

【建設工業新聞  9月 28日 7面記事掲載】

中部地方整備局三重河川国道事務所は、三重県伊勢市内を流れる宮川と支川勢田川流域で、33カ所に設置した簡易浸水センサーなどを用いた浸水状況共有システムの現場実証をスタートした。河川に設置した水位計などとも連動させ、降雨時の浸水状況や排水施設の稼働状況などの情報を国と県、市の3者がリアルタイムで確認する。効果を検証し、本年度末に策定する宮川水系流域治水プロジェクトのソフト対策(避難・水防など)の一環として防災・減災の取り組みを推進する。

伊勢市は2017年10月の台風で、宮川の支川である瀬田川流域で広域的な浸水被害を受けた。このため、簡易浸水センサーは浸水地域を中心に設置した。道路脇のカーブミラーやガードレールに、道路面の浸水(冠水)を検知するものと、家屋浸水や避難困難となる浸水(30~50センチ)を検知するためのセンサーを上下2カ所に設置。

既設の水位計(危機管理型含む)による河川の水位上昇の監視と、排水機場や樋門・樋管などの排水施設の稼働状況のデータも合わせ、浸水の発生や範囲を推定し、地図や一覧表で表示する。

三重河川国道事務所は増大、激甚化する水災害に対し流域全体で治水に取り組むため、県や市町などで構成する宮川流域治水協議会を8月に設置。河道掘削や堤防整備、土地の利用規制、監視カメラ設置などソフト・ハード対策を盛り込んだ流域治水プロジェクトを本年度末に取りまとめる。今回の現場実証の成果は同プロジェクトのソフト対策に反映させ、住民の早期避難行動につなげる。

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