2020/11/26 自民国交部会/経済対策の重点事項案を議論/国土強靱化など3本柱

【建設工業新聞  11月 26日 1面記事掲載】

自民党国土交通部会(部会長・平口洋衆院議員)は東京・永田町の党本部で25日に会合を開き、政府が来月にもまとめる新型コロナウイルスの追加経済対策に関連する重点事項案を議論した。▽感染拡大防止と経済活動の両立▽ポストコロナに向けた日本経済の再生▽防災・減災、国土強靱化の推進など安全・安心の確保-の3項目が柱。会合で出た意見を踏まえ、週内にも重点事項を政務調査会に提出する方針だ。

感染拡大防止と経済活動の両立では、厳しい経営環境に置かれている公共交通事業者の収支改善、航空・空港事業者の経営基盤の強化を支援する。観光分野ではGoToトラベル事業の継続による需要喚起、宿泊施設の感染症対策や収益力の向上、地域観光資源の磨き上げなどに注力する。

日本経済の成長に向けた施策には、基盤となる都市インフラやサプライチェーン(供給網)の強靱化につながる道路ネットワークや港湾施設の整備を盛り込む考え。生産性向上を目指し国土交通分野のDX(デジタルトランスフォーメーション)を強力に推進。スマートシティーの海外展開も重点事項に挙げた。

安全・安心の確保では、編成中の2020年度第3次補正予算案をにらみ、20年7月豪雨など災害からの早期復旧や再度災害防止を目指す。大規模自然災害への対応を強化するため、あらゆる関係者が協働する「流域治水」の取り組みやインフラの老朽化対策などで防災・減災や国土強靱化を一層推し進める。

「防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策」(18~20年度)後を見据え、対策を拡充し2021年度から5カ年の計画決定を政府に求める。事業費を当初予算で別枠確保し予算規模を拡充。テックフォース(緊急災害対策派遣隊)や国土交通省の出先事務所など最前線で復旧に当たる組織の体制と機能の充実・強化も目指す。

三つの柱とは別に、経済対策として推進する公共事業などが地域で円滑に実施されるよう、地方債の活用などによる自治体の負担軽減措置も盛り込んだ。

政府は、20年度第3次補正予算と21年度当初予算を合わせた「15カ月予算」を編成し、切れ目のない経済対策に取り組んでいく方針だ。

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