2021/03/04 国交省/施工体制台帳作成の指針策定/作業員名簿記載例など留意点説明

【建設工業新聞  3月 3日 1面記事掲載】

国土交通省は昨年10月の建設業法改正を受け、施工体制台帳作成に当たっての指針を作った。施工体制台帳に追記する場合の監理技術者補佐の記入方法や添付する作業員名簿の作成例の明示、書面の電子的取り扱いなど、対応で留意すべき点をまとめた。2日付で地方整備局や都道府県、政令市などの関係部局、民間発注者団体、建設業者団体に通知。適切な運用を働き掛けていく。

国交省のホームページに施工体制台帳や作業員名簿の作成例を掲載した。建設キャリアアップシステム(CCUS)から出力される作業員名簿の作成例のリンクも設けた。全国建設業協会(全建、奥村太加典会長)は施工体制台帳などの様式「全建統一様式」の改定作業を進めている。

指針では、施工体制台帳と再下請通知を行う事項に加わった監理技術者補佐、建設工事の従事者に関する事項などについて説明している。

従事者の補足として、工事に該当しない資材納入や調査、運搬などの業務に従事する者は必ずしも記載する必要はないとした。従事者の安全衛生に関する教育内容の記載事例として、雇い入れ時教育や職長教育、建設用リフトの運転業務に係る特別教育を例示。知識や技術、技能に関する資格の記載は任意とした。

施工体制台帳の要約版となる施工体系図の作成も見直し、下請負人の代表者氏名や建設業許可番号などを記載するよう求めた。デジタル化推進の一環として、元請から1次下請、1次下請から2次下請への施工体制台帳の作成工事である旨の通知は電子化が可能。1次下請から元請、2次下請から元請への再下請通知書と添付する契約書の写しの電子化も認める。

建設業法で元請には、公共工事と民間工事で下請契約が4000万円(建築一式工事は6000万円)以上の場合、施工体制台帳の作成義務がある。昨年10月の改正により、これまで任意だった作業員名簿を施工体制台帳の書類の一つに位置付けた。元請が新規入場者を受け入れる際、作業員名簿で各作業員の社会保険欄を確認するようにした。

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