2021/03/18 CCUSー収支安定確保や普及促進を/建設関係団体、国交省・振興基金に要望

【建設工業新聞  3月 18日 1面記事掲載】

官民で作る建設キャリアアップシステム(CCUS)運営協議会(会長=青木由行国土交通省不動産・建設経済局長)が16日にウェブ開催した総会で、建設関係団体から国交省やCCUS運営主体の建設業振興基金(振興基金、佐々木基理事長)に対し、収支の安定確保や普及促進に向けた要望が相次いだ。

日本建設業連合会(日建連、山内隆司会長)の相川善郎CCUS推進本部長は、収支の安定確保が見込める「低位推計」の目標達成に向け、新たな数値目標を近く決定すると表明。だが「日建連だけの取り組みでは低位推計の目標に遠く及ばない」ため、国交省に対し▽各事業者・各団体への指導▽地方自治体などへの働き掛け▽技能者への建設業退職金共済(建退共)掛け金の確実な支払い-の3点を要望した。

全国建設業協会(全建、奥村太加典会長)の中筋豊通労働委員会委員長(島根県建設業協会会長)は、全建が全国33現場で実施したCCUSモデル工事現場での検証状況を報告。地域建設業の中でもCCUSの理解が深い事業者がモデル工事に参加したものの、「残念ながらメリットがあるとの回答は2割に過ぎなかった」と明らかにした。加入メリットを大きくするため、技能に応じた賃金を支払うための積算体系の構築など具体策を提案した。

全国中小建設業協会(全中建)の土志田領司会長は、会員企業の受注の柱が自治体発注工事であることを踏まえ「会員には(CCUSに対し)否定的な部分がいまだにある」と実情を吐露。受発注者間の共通インフラにするためにも「自治体への理解促進がまず先ではないか」と主張した。さらに「発注者側がCCUSの活用を条件化するところまで踏み込んでほしい」と求めた。

2021年度目標の技能者登録数30万人、事業者登録数(一人親方除く)3万社などの達成には、各団体の会員外の登録が必要となる。建設産業専門団体連合会(建専連)の才賀清二郎会長は「幅広く末端まで拾えるようなシステムにしていかなければいけない」と指摘。カードリーダーの現場設置が少ない現状を踏まえ、「カードリーダーの普及に向け専門工事業者も何か関わっていけるよう考えていきたい」と述べた。

日刊建設工業新聞の購読申し込みは、こちら

戻る