2021/03/29 国交省/専門工事会社の施工能力「見える化評価基準」で6職種を初認定

【建設工業新聞  3月 29日 1面記事掲載】

国土交通省は、専門工事会社の施工能力などを4段階で評価する「見える化評価基準」を29日に初認定する。対象は「鉄筋」など6職種。基準を作り、認定を受けた評価実施機関は今後、評価の実施規定を国交省に届け出る。2021年度から評価実施機関による評価が順次始まる。国交省は他の職種の基準作りを後押しするとともに、施工能力の高い専門工事会社が雇用する技能者の処遇改善につながる具体策を検討する。

見える化評価制度は人を大切にし、施工能力などの高い専門工事会社が適正に評価され、選ばれる環境を整備するのが目的。技能者の処遇改善や人材投資を促進し、業界に安心感が醸成されるための仕組み。評価は建設キャリアアップシステム(CCUS)や、CCUSを活用し技能者を能力評価するレベル判定システムなどと連携して行う。

策定する基準は「基礎情報」「施工能力」「コンプライアンス」の3項目について、業界共通の「共通評価内容」と職種ごとの「選択評価内容」で構成する。専門工事業団体など評価実施機関(原則、技能者の能力評価実施機関)は、共通評価内容の配点、選択評価内容の評価項目・内容と配点を設定する。

各項目ごとに「☆」(星印)で評価する。最上位を「☆☆☆☆」(四つ星)とする4段階の評価基準を職種のバランスを考慮し、適切に設定。見える化評価の基準と実施規定に基づき評価する。評価結果は発注者やエンドユーザーへのアピールという観点から、実施機関や国交省のホームページで公表する予定だ。

先行して基準作りを進めてきた▽鉄筋=全国鉄筋工事業協会▽切断せん孔=ダイヤモンド工事業協同組合▽基礎ぐい=全国基礎工事業団体連合会、日本基礎建設協会▽とび・土工=日本建設躯体工事業団体連合会▽建築大工(工務店)=JBN・全国工務店協会、全建総連、全国住宅産業地域活性化協議会▽機械土工=日本機械土工協会-の6職種・9団体は基準案を申請。29日にも国交大臣の認定を受ける。

21年度から人材・機械を保有し施工能力を持つ専門工事会社の評価が始まる。国交省は今後、施工能力などの高い企業が単なる価格競争ではなく、受注機会を確保し、雇用する技能者の処遇改善につながる仕組みを構築するための具体的な方法などについて、実施機関とともに検討する。

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