2021/09/30 全中建/CCUS導入調査結果/6割超が導入、費用負担が課題

【建設工業新聞  9月 30日 1面記事掲載】

全国中小建設業協会(全中建、土志田領司会長)は、会員企業を対象に実施した建設キャリアアップシステム(CCUS)導入の調査結果をまとめた。調査時期は昨年10~12月。6割超の企業が「導入済みもしくは導入する予定」と回答した。導入しない企業が挙げた理由は「費用負担ができない」が約半数を占めた。全中建は引き続きCCUSのメリットを丁寧に説明し普及拡大を目指す。

調査対象は約2260社。30・8%の696社が回答した。業種別の割合は土木66・1%、土木建築23・9%、建築7・6%、その他2・4%。従業員は10人未満24・5%、10~50人61・9%、51~100人8・6%、101人以上5%だった。完成工事高別は1億円未満8・9%、1億~10億円未満62・5%、10億円以上28・6%となっている。

事業者登録や現場へのカードリーダー設置などを前提に導入状況を調べたところ、回答661社のうち23・4%の155社が「導入済み」、36・8%の243社が「導入予定」と答えた。全体で6割超の会員企業が前向きに対応していた。

導入しない理由も確認した。回答297社のうち48・8%が「費用負担ができない」を挙げた。次いで「設計に必要経費が計上されていない」(31・3%、93社)、「発注者のシステム不知」(19・9%、59社)の順だった。

全中建によると、導入しない理由には▽専門工事業者には管理が複雑で導入が難しい▽労働者の高齢化とシステム利用するほどの受注をしていない▽システム設計者の地方中小建設業の実態に対する理解不足が大きく、特に土木一式現場で会社や労働者とも負担増でしかない▽義務化してから導入予定-といった声もあった。

全中建はCCUSの普及拡大に向け、引き続き技能労働者の処遇改善につなげる目的やメリットを丁寧に説明する方針。CCUSと連携した電子申請方式に切り替えた建設業退職金共済(建退共)制度の概要も改めて説明する。

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