2021/10/19 東北6県労働局/建設業の違法時間外労働71件/20年度長時間労働監督指導結果

【建設工業新聞  10月 19日 6面記事掲載】

東北6県の労働局がまとめた2020年度に実施した長時間労働が疑われる事業場に対する監督指導結果によると、建設業では対象となった219事業場のうち、128事業場で労働基準関係法令違反を確認した。前年度に比べ171件と大幅に減少した。このうち違法な時間外労働があったものが71事業場で、前年度の299件から8割減となった。各労働局では24年4月から建設業に適用される時間外労働上限規制を前に週休2日制の導入などを呼び掛けるとともに、違法な長時間労働の是正を求め、引き続き指導を継続する。

監督指導は時間外・休日労働時間数が1カ月当たり80時間を超えていると考えられる事業場や、長時間にわたる過重な労働による過労死等の労災請求が行われた事業場を対象に実施。20年4月から21年3月までの監督指導結果をそれぞれまとめた。

6県合わせて監督指導を行ったのは全産業で2533事業場で、うち労働基準関係法令違反が認められたのは1768事業場。県別では、青森322事業場(監督指導件数415事業場)、岩手265事業場(388事業場)、宮城204事業場(234事業場)、秋田218事業場(310事業場)、山形324事業場(517事業場)、福島425事業場(669事業場)となった。主な法令違反は「違法な時間外労働があった」が922事業場、「賃金不払い残業があった」が170事業場、「過重労働による健康障害防止措置が未実施」が498事業場だった。違法な時間外労働があった事業場のうち、時間外・休日労働の実績が最も長い労働者では、1カ月当たり80時間超が287事業場、100時間超が166事業場、150時間超が33事業場、200時間超が7事業場だった。

建設業は219事業場のうち、違反があったのは128事業場。主な違反では「違法な時間外労働があった」が71事業場、「賃金不払い残業があった」が17事業場、「過重労働による健康障害防止措置が未実施」が22事業場だった。違反があった事業場の県別では、青森24事業場(うち労働時間違反11事業場)、岩手17事業場(11事業場)、宮城23事業場(14事業場)、秋田21事業場(14事業場)、山形22事業場(12事業場)、福島21事業場(9事業場)だった。

各労働局では、長時間労働の是正に向けた取り組みを積極的に行うとともに、11月の「過重労働解消キャンペーン」期間中に重点的な監督指導を実施していく。

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