2021/12/17 コマツ/電動化へ開発加速/バッテリー駆動式ミニショベル、22年度の量産化めざす

【建設工業新聞  12月 17日 3面記事掲載】

コマツは16日、投資家らを対象とした事業説明会をオンラインで開き、建設機械の電動化に向けた対応方針を明らかにした。レンタルで国内市場に導入しているバッテリー駆動式ミニショベルをモデルチェンジし、2022年度の量産化を目指す。欧州市場から投入する。米国企業と協業で開発している中型クラスの電動化油圧ショベルは23~24年の量産化を見据える。車載用燃料電池も30年までに市場導入する目標だ。

4月から国内市場に導入したバッテリー駆動式ミニショベル「PC30E-5」は、屋内環境でも利用できる点や、静かさ、オペレーターの疲労軽減などがユーザーから好評という。モデルチェンジに合わせて量産化する。中型クラス油圧ショベル電動化に向けては、商用車の電動化技術を展開する米プロテラと協業しており、20トンクラスの実証実験を現場で進めている。

電動マイクロショベル向けの交換式バッテリー「モバイルパワーパック」をホンダと共同で開発中。さまざまな建設機械と相互利用を可能にすることで、バッテリーや充電インフラを共有し、コスト低減や利便性向上を図る。

コマツは、20トンクラスまでは電動化を、中大型は燃料電池や水素エンジンの活用を想定する。電動化と合わせて、建設現場向けICT(情報通信技術)ソリューション「DXスマートコンストラクション」を加速。ライフサイクル全体での価値向上を狙う。「電動化はチャンスだ。従来機より高くなるが、自動化し効率化して価値を高める」(渕田誠一常務執行役員開発本部長)としている。

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