2021/12/23 ゼネコンら/CCUSレベル別に手当支給/評価基準再編、国交省は優良事例を水平展開

【建設工業新聞  12月 22日 1面記事掲載】

建設キャリアアップシステム(CCUS)の能力評価を活用し、レベル別に手当を支給する動きがゼネコンや道路舗装会社で出てきた。これまでは自社の優良技能者認定制度で「登録基幹技能者」などを評価する取り組みが主流だった。評価基準をCCUSのレベルに応じて再編するといった事例が増えている。国土交通省は優良事例を水平展開し、CCUSを活用した技能者の賃金アップにつなげたい考えだ。

CCUSの能力評価は▽レベル1(カードの色・ホワイト)=初級(見習い)技能者▽レベル2(ブルー)=中堅(一人前)技能者▽レベル3(シルバー)=職長として現場に従事できる技能者▽レベル4(ゴールド)=高度なマネジメント能力を有する技能者(登録基幹技能者など)-の4段階に分かれる。

国交省は20日に東京都内で開いた「建設キャリアアップシステム処遇改善推進協議会」で、ゼネコン・道路舗装9社の取り組みを紹介した。

清水建設は優良技能者手当の支給対象をレベル4保持者から選定し、1日当たり3000円を支給している。西松建設はレベル別に日額手当を支給する優良技能者制度を導入している。支給額はレベル2が500円、レベル3は1000円、レベル4が2000円。特に模範となる技能者には3000円を支給する。

奥村組は優良職長の認定条件に「CCUSカード保持」を加え、カードの色に応じた手当を検討している。村本建設は上級職長である社内マイスターの認定でCCUS登録を必須にした。マイスター手当をレベルに沿った形で年度内に変更する予定だ。

国交省は4社に加え、▽鹿島▽東洋建設▽五洋建設▽大林組▽大林道路-の5社の取り組みも優良事例として報告。優良職長の認定にCCUS登録を利用するケースが多い。協議会では優良事例の水平展開に力を入れて取り組むことを産学官の関係者で確認した。

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