2024/04/01 国交省/処遇改善企業の受注拡大へ、CCUS利用拡大3カ年計画示す

【建設工業新聞 3月 29日 1面記事掲載】

国土交通省は28日に開かれた「建設キャリアアップシステム(CCUS)運営協議会」の総会で、CCUSの利用拡大に向けた3カ年計画の骨子案を示した。登録促進にとどまっていた取り組みの重点を「現場利用」や「処遇改善」に明確に移す。CCUSという業界統一のルールに基づき処遇改善の取り組みを公正に評価する基盤を作り、市場全体で処遇改善に取り組む事業者が公正に評価される環境を創出。CCUSを活用する事業者が競争で不利になることなく受注機会を拡大できるよう、国が率先して取り組む。

3カ年計画は▽経験・技能情報に基づく処遇改善の促進▽CCUSを活用した現場管理などの効率化▽CCUSによる就業履歴の蓄積と能力評価の推進-の三つに重点を置く。技能者本人に加え、元請や下請など利用者それぞれの立場に応じたメリットを強化する。今後3年の取り組みの詳細をまとめ、産学官組織の「CCUS処遇改善推進協議会」などの場で今後改めて提示する予定だ。

処遇改善の促進策として、技能者の処遇改善や能力向上に取り組む事業者の受注拡大を打ち出す。CCUSを活用した処遇改善に取り組む事業者の見える化、施工能力の高い事業者の評価向上に取り組む。建設業退職金共済(建退共)と連携した電子申請の手続き簡素化、技能者の処遇改善につながる建退共制度の在り方も検討する。技能者本人が資格情報などを手元で確認できるスマートフォンアプリも実装する。

現場管理の効率化につながる取り組みを業界団体と連携し水平展開。CCUSを活用した施工体制台帳の提出・確認に対応する公共発注者を増やし、登録データの活用拡大で下請企業の業務負担を軽減する。

就業履歴の蓄積と能力評価(レベル判定)を推進するため、業界団体などと連携し登録・利活用のサポート体制を強化。履歴蓄積を工事成績評定などで加点評価する地方自治体も増やす。登録とレベル判定の「ワンストップ化」、住宅建築分野の実情を踏まえた能力評価基準の策定、能力評価で「多能工」が評価される環境も整える。

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